深刻なIT人材不足に打ち勝つ、ひとつの解決策!

IT人材情シス支援ラボ解説

投稿日:2024年02⽉15⽇更新日:2024年06⽉10⽇

昨今の目覚ましいIT技術の進展に伴い、情報システムが企業の競争力に直結する時代に入りました。これからの時代は、ITの力を活かして業務効率を向上させ、生産性の低下を防ぎつつ、商品やサービスへの投資に注力することが重要です。

ところが、その一方でIT人材を十分に確保できている企業はごく少数で、日本では実に7割のIT人材がIT企業に所属していると言われています。

深刻化するIT人材不足問題

「企業の競争力を高めるためにDX化の促進が謳われていますが、総務省による調査では、DX推進の課題として、大企業・中小企業問わず半数以上の企業が「人材不足」を挙げています。特に多くの中小・中堅企業では、1名以下の体制や、情報システム以外の業務も兼任しているという実態となっています。

 

出典:総務省「令和3年版情報通信白書」

 

 

IT人材不足の原因

なぜIT人材不足が深刻化しているのか、原因は大きく2点挙げられます。

 

IT技術の急速な進化

コロナ禍によるデジタル化や新たなニーズの出現により、IT技術の進化が加速しました。リモートワークの導入に伴いビデオ会議ツールやリモートワーク関連の需要が高まると同時に、DX化におけるクラウドコンピューティングやビッグデータ分析、IoTなどの技術への投資が増加。さらに生成AIの台頭により市場が急速に成長しています。

 

日本のIT人材の〇%が…

さらに、IPA社会基盤センターの「IT人材白書」によると、日本ではIT人材の72%がIT企業、残り28%がユーザー企業の所属と記されています。日本国内の企業数は約368万社、うちIT企業は約4万3千社ですので、IT人材が一般企業に十分に行き届いていないことが見て取れます。

 

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「IT人材白書2017」

出展:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「IT人材白書2017」

 

 

IT人材不足による課題

生産性の低下

以上のように慢性的に人手が不足している中で、情報システムの担当者は、インフラ関係の整備やパソコンなどの周辺機器の手配、既存システム運用、システム刷新・導入検討に加え、DXやペーパーレス化などの推進まで、限られた時間の中で非常に手広く対応しなければなりません。社内のユーザー部門からの問合せも発生するため、コア業務に手が回らず生産性が低下する恐れもあります。

 

出典:株式会社インターネットイニシアティブ「全国情シス実態調査2022」https://www.iij.ad.jp/svcsol/survey/all-it/2022/

 

シャドーITの引継ぎ

さらに場合によっては、社内で増殖したシャドーITを情報システム部門で引継ぎしなければならないというケースも。

Microsoft AccessやMicrosoft Excel(以下、Access、Excelと略称)を使えば、知見のある社員であれば自由に作成できるため、気づけば数十本の自作ツールが存在していた……という話もよく聞きます。そういった自作ツールは、多くの場合ドキュメントがなく、相当な手間が発生します。

 

このような業務過多の状態は離職増加の危険性もはらみ、組織として競争力の低下に繋がりかねません。

 

 

解決策

外部リソースの活用

派遣など外部のサービスプロバイダーを利用することで、必要な人材やスキルを確保できます。プロジェクトの期間や規模に応じて、必要なリソースを臨時に追加することも可能です。

 

<デメリット>

外部の専門家やサービスを利用するためには、追加の費用がかかります。また、派遣社員を募集しても、IT人材は売り手市場のため良い人材に巡り合えない、巡り合えたとしても予算を超えてしまうことも多いです。

内部の人材開発と教育

社員を育成することで、組織内の人材の能力を向上させることができます。社内でのスキルアップやキャリア開発の機会も生まれ、従業員のモチベーション向上にも繋がります。

 

<デメリット>

内部の教育プログラムやトレーニングには時間と労力が掛かるため、即戦力にはなりません。また、すべての従業員が必ずしも適切なスキルを習得するとは限りません。

 

柔軟な労働形態の導入

モートワークやフレックスタイムなどの柔軟な労働形態を導入することで働きやすさが向上し、優秀な人材の確保に繋がる可能性が広がります。

 

<デメリット>

部門内のコミュニケーションや協力が難しくなり、チームの連携が損なわれたり、業務管理や成果の評価が難しくなったりする可能性があります。

 

業務の自動化とプロセスの最適化

業務の自動化やプロセスの最適化によって、IT部門の業務効率を向上させることができます。繰り返しのタスクやルーチンワークを自動化し、従業員がより価値の高い業務に集中できるようにすることで、リソースの有効活用が可能となります。

 

<デメリット>

システムやソフトウェアの導入に伴う初期費用や開発コストが発生します。さらに既存の業務プロセスを変更するとなると抵抗が生じる場合があります。また、時間とリソースが必要なため、人手不足のなか取り組むのは非常に困難といえます。

 

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筆者:坂口

2017年入社
営業担当/パッケージ商品ご提案
趣味:映画・ミュージカル鑑賞