「情シス支援ラボ」に込めた思い

情シス支援ラボ解説

投稿日:2023年01⽉05⽇更新日:2023年01⽉23⽇

シグマクレストは受託開発事業を通して食品メーカーの情報システム部門の方々から案件以外にも数々のご相談をいただいて参りました。
このサービスは、情報システム部門が抱える「ユーザーが作ったアプリの改修」という共通の課題を解決し、情報システム部門にゆとりを作り、新たな施策に取り組んでいただきたいという思いから生まれました。

導入背景、課題

「慢性的な人手不足」「メンバーが固定化する(属人化)」「シャドーIT、EUC(エンドユーザーコンピューティング)の引継ぎ」。このような課題を、企業の規模に関わらず、食品業界の情報システム部門では共通して持たれているようです。

 

慢性的な人手不足

情報システム部門の人数は、いくつかの調査会社さんが統計を出されていますが、私の知る限り食品業界では統計結果ほどの人数を掛けられている会社はありません。極端な話、約半数ほどではないかと思います。ご支援先の年商100億円を超える中堅の食品メーカー様の情報システム部門は2~3名です。

 

サーバーやネットワークなどのインフラ関係、パソコンや周辺機器の手配、基幹システムをはじめアプリケーションの保守、エンハンスなど、業務領域は広く、さらにDXやペーパーレス化の推進も重なって、人手不足に拍車がかかっています。

 

派遣社員を募集しても、IT人材は引く手あまたの売り手市場になっていて、良い人材に巡り合えない、巡り合えたとしても予算を超えていることも多く、運まかせだとも伺います。

 

メンバーが固定化する(属人化)

ITスキルは専門性を求められるので、その人にしかできない仕事になりがちで、新しいメンバーが簡単に引き継げることはなく、数か月一緒に業務を回してようやく理解できるものです。前述の通り、人手不足に陥っている状況で引継ぎに避ける時間は限られています。

長年担当してきた人が引き続き作業することがもっとも効率的で、情報システム部門の生産性を底上げします。

しかし、長年使われる技術は、日々進歩するIT分野において、若手の技術者が習得を望むかというとそうではなく、新しい担い手を見つけることは容易ではありません。

 

いくら効率的で生産性が高いといっても、担当者の異動や退職、急な求職、夜間や休日での作業など、属人化は組織にとって良いことではありません。属人化の解消は、重要度が高くても緊急度は低く、優先順位は下がる傾向にあるようです。

 

シャドーIT、EUC(エンドユーザーコンピューティング)の引継ぎ

”現場のIT好きなAさんが、Microsoft Access(以下、Accessと略称)を利用して70本近くツールを作成している。受注データ(WEB-EDI)の基幹システムへの取り込みやピッキングリストの出力をしていて業務に欠かせない。そのAさんが定年退職を迎えるので、今後のメンテナンスは情報システム部で頼むと言われたが、ドキュメントが一切ない。”

とある食品メーカー様で実際に起きていた事例です。

 

・システム会社に開発を依頼すると費用がかかる・・

・情報システム部門は忙しくて現場の個別最適なツールを作ってる余裕はなさそう・・

→Aさん(Accessが得意)に作ってもらおう!

 

このような状況が続き、気づけば70本にも及ぶツールが出来上がっていたようです。

これらツールは業務上重要な役割を担っているので、ツールに障害が発生した場合には業務が停止するインパクトがあります。いくら情報システム部門であっても、ドキュメントがなく引き継ぐことは相当な労力が必要です。

 

 

情報システム部門の本来の役割

情報システム部門は、現場と経営の中間で双方の要求を仕組化し、利益に貢献することが本来の役割だと思います。複雑な業務を抽象化して最適なシステムに落とし込んで現場に投入し、付加価値を生んで生産性を高めることにいかに時間を使えるかが勝負ではないでしょうか。

 

ゆとりをもつには

人手不足なうえにガラパゴス化したシャドーITのお守りに時間が割かれていては、本来の役割を担う余力がありません。

正社員や派遣社員の採用、他部署からの異動はひとつの解決策で、実際に弊社のお客様も増員によって平準化に成功されています。しかし、属人化やEUCの廃止には繋がらず、課題の根本的な解決にはならないようです。

 

情報システム部門のみなさんが抱えている案件は、本当に自分でなければできないことでしょうか?

少しでも別の誰かや他の何かに置き換えることができれば、その分ゆとりを持つことにつながるのではないかと我々は考えています。

 

「情シス支援ラボ」に込めた思い

情報システム部門にゆとりをもってもらうためにはどうしたよいか、シグマクレストにできることを徹底的に考えました。

設立以来20年間、食品業界に特化してシステム開発を行ってきた業務知識と、お客様と隣の感覚で寄り添う社風、また、AccessやMicrosoft Excelのマクロ(以下、Excelマクロと略称)の開発に数多く携わってきました。自作のAccessやExcelマクロを引継ぎ、保守やエンハンスは大手のシステムベンダーではやってくれません。シグマクレストは、かゆいところに手が届くサービスを信条にしています。

 

これらシグマクレストの特長と情報システム部門の課題解決を結び付けたのが「情シス支援ラボ」です。

情報システム部門の課題の一部を「情シス支援ラボ」で解決し、情報システム部門にゆとりをもたらすことをお約束します。

筆者:安立

2004年入社
SEを経て営業チームを発足。SE時代の知見・経験を活かした提案で多くの企業の業務課題を解決。
中日ドラゴンズファン。